マラソンの練習方法の一つであるビルドアップ走についてご紹介します。取り組みやすく、効果も出やすいトレーニングでおすすめです。
ビルドアップ走とは?
ビルドアップ走とは、距離が増えるごとに、徐々にペースを上げていくトレーニング方法です。心肺機能の強化、筋力の強化、スピード強化につながるトレーニングです。最初は、ジョグで入り、最終的には、レースペースより早いペースまであげていくようなものから、レースペースで入り、最後は、レースペースより早いペースまで追い込む設定など、目的に応じて負荷の強さを変えて取り組めます。
ビルドアップ走の効果
ペースを徐々に上げていくことで、心肺機能の強化につながり、スタミナがつきます。また、ラストは、レースペース以上のタイムで走ることにより、スピード力も養えます。また、長い距離を走った後にペースを一段とあげることで、ラストスパートの練習にもなります。フルマラソンや、ハーフマラソンのラストの苦しい時間に生かされる練習です。
ビルドアップ走のメリット
インターバルトレーニングは、直線距離が長く取れるコースや、グラウンドがないとやりづらいですが、ビルドアップ走は、いつも走っているコースで、気軽に取り組めるのがメリットです。また、インターバル走は、短い距離でのトレーニングですが、ビルドアップ走は、長い距離でのトレーニングとなり、スピードだけでなく、スピード持久力も養えるのがメリットです。
ビルドアップ走のペース設定
例えば、15kmでフルマラソンに向けたトレーニングで実施する場合は、ラスト5kmはレースペースより30秒早いペースとし、そこから逆算し、5km〜10kmはレースペース、最初の5kmはレースペースより30秒遅いペースに設定するのが、実施しやすいペース設定となります。さらに追い込んだトレーニングにする場合は、ラスト5kmをレースペースより1分早いペースにし、5km〜 10kmはレースペースより30秒早いペース、最初の5kmはレースペースという設定ができます。これは、かなりきついトレーニングになりますが、大会前の追い込み時期に、良い刺激になると思います。
<フルマラソン3時間30分切りの為のトレーニング例>
〜5km 5分27秒/km
〜10km 4分57秒/km
〜15km 4分27秒/km
ビルドアップ走の距離の設定
どんな距離設定でも実施可能です。例えば5kmくらいの短い距離でトレーニングするなら、1kmずつペースを上げていく感じになります。フルマラソンのトレーニングの場合は、15kmで実施するのがおすすめです。東京ですと、皇居の周回コースが一周5kmですので、トレーニングがしやすいですよ。
普段のジョグでも実践できるトレーニング
本格的なビルドアップ走は、体に負担がかかりますので、週に1、2回だけ実施することをおすすめしますが、普段のつなぎのジョグにおいても、ラスト1キロだけは、レースペース以上に上げることを実践しておくと、レースの苦しい時間での粘りや、ラストスパートに生きると思います。